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Djmixを作る際のノウハウをまとめてみた

Published at November 13, 2017 6:18 p.m.

はじめに

ここに書いてある内容は、めっちゃ主観的ですので、誰かの独り言だと思って眺めるくらいにしておいてください。そういう文章です。

普段ははいさいナイトというnagomixのイベントに出演しております。
djmixはこちらからどうぞ

プレイリストとセットリストの違い

プレイリストは、「自分が心地いいと思う曲順で作る曲のリスト」であり、セットリスト(以下セトリ)は、「フロアの人を楽しませつつ自分も楽しむための曲のリスト」だと思っています。

前者はテンポの違いを気にせず、バラードとかも混ぜて作れますからとても自由度が高い物が作れます。
後者にはグルーヴ感が喪失するようなバラードとかはなかなか入れにくいし、様々なテンポの楽曲をグルーピングしながら、前後の楽曲の音色や主キーなども意識して繋ぐ必要があります。

またセトリにかんしてはどこでプレイするかで内容が変わってきます。フロアだったらお客さんを踊らせる曲のリストにしたいし、ラウンジだったら落ち着いた雰囲気だけど、ハッピーになれる曲をかけたいし、という感じ。

何は無くともまずは選曲から

選曲に必要な知識

セトリをつくるのにまず必要になるプロセスは「選曲」です。
選曲をするのに最低でも「知識」と「テーマ」は必要かと思います。

「知識」は曲をどれだけ聴き込んでいるか、というもの。
「テーマ」はそのリスト全体を覆う一貫した主題になります。

知識の落とし穴は、2つあります。

1つはマニアックな曲とポピュラーな曲のバランス、です。
フロアのお客が誰も知らない曲をかけても「テーマ」を下支えするために、グルーヴ感や雰囲気を構築するために、むしろ積極的にかけたほうがいいと思います。
ただし、そういう曲ばかりだと、フロアから人がいなくなることも多いです。踊ってくれる人がいなければグルーブを構築しても元も子もないです。
ですので、みんなが知ってそうな曲をかけるというバランス感が必要になってきます。趣味が多様化してる今の時代にそういう曲を探すのも結構大変ですが。

もう一つの落とし穴は世代差です。フロアに来るような10−20代の子達がどういう音楽を聴いてきたんだろう、ということをイメージしながら選曲をしたほうがいいと思います。
旬のアニソンやアンセムとなっているアニソンとかは、オールラウンダーな曲が多いので、そういう悩みからは解放されがち。ただ、他のDJと曲かぶりしがちなので、そこは本当は臨機応変に曲を変えるようにできるとベストです。(正直そこまでできてないですが)

選曲に必要なテーマ

セトリにおけるテーマは1つにしたほうがいいと思います。いろんな物を持ち込みすぎると、ちぐはぐしてしまい、一貫性を欠いてしまうからです。

ただ、そのテーマが細かすぎるものだと、聞いてて飽きてしまうセトリが出来上がりがちです。
例えば、アーティスト縛りとか…。
細かいテーマで時間を持たせるのは難しいので、その場合は関連したテーマを複数設定するのがいいかと思います。

1つのテーマ設定でやる場合、程度の範囲を覆える設定をすることが重要になってきます。例として、私がよくやるのは

  • 1、どうしてもかけたい同ジャンルの曲を何曲か決める。
  • 2、そのジャンルで統一感を持たせて他の曲を決めていく。
    • こないだはフューチャーファンク縛りにしてみたり、ボカロ縛りにしてみたり。PPPH縛りにしてみたり。スカコア縛りにしてみたり。といった感じ。
    • 2に関してはジャンルじゃなくても作曲者縛りとか、アニメ作品縛りとか、制作会社縛りとか、レーベル縛りとかいろいろあると思います。

というやり方になります。

良音の曲を探そう(Dig)

DJが曲を探すのをdigとか言ったりします。これはアナログ盤をレコード屋の棚からひょいひょい出す様を言ってるんだと思います。今だとデジタルなのでそういう様は無くなってしまってますが。

itunesで売ってるような曲は、プロのマスタリングエンジニアが仕事した後の曲なので、基本的に間違い無いです。

ただ、soundcloudなどで配布しているリミックス音源は注意が必要になります。無名のアマチュアのトラックメーカーが作ってる作品などはよく聞いたうえでセトリに入れるかどうかの判断をしましょう。
ビートが弱い曲とかは外したほうがいいし、よくあるのがリミックスで音質がガサガサのやつとかは絶対外したほうがいいです。

ボカロもアマチュア作家の作品が多いのでニコ動で配布しているものよりは、itunesで販売しているものをかけた方がいいです。(多分マスタリングちゃんとしてるから、アマチュアレーベルだとめっちゃ怪しいけど)
Just be friendsなどボカロの名曲ですが、オリジナル曲のビートがスカスカしてるので、クラブの音量には耐えられないです。そういった曲は外します。

あと、古いアニソンなど、音がぼやけた感じの解像度になってるものが多いので、新しい曲と繋げようとすると違和感が出ちゃったりします。

私がその時使う手法は

  • 1、リマスタリング・再録音源を探す
  • 2、リミックスやカバー音源を探す
    です。

古い曲で今も活動されてるアーティストの方は、ベスト盤出すタイミングでリマスターあるいは再録していることが多いので、そういった曲を探します。

再録版もイマイチなことがあります。そういう時はカバー曲を探します。
DBZの「チャラヘッチャラ」などは実はFLOWがカバーしてて、結構かっこいいし音もいいです。なので、そっちを採用、みたいな感じ。

懐かしさをテーマにしてたら原曲をかけることになると思いますが、音質改善のためのなんらかの策は講じた方がいいかもしれません。

また、ボカロは歌い手さんや声優さんがカバーしてることが多いですが、そっちを採用するか毎回悩みどころだったりします。ボカロの雰囲気が全くなくなってしまうから。

重低音を聞き分けるのにおすすめなスカルキャンディ

ここで、重低音を聞き分けるのに、オススメのグッズを紹介します。

私がつかってるスカルキャンディのヘッドフォンは、重低音が物理的にビリビリ響いてお知らせしてくれる機能があるので、人の耳では聞こえない音域のクラブで感じられるビリビリした感じ?を体感できる特性がある。
※スカルキャンディがその周波数帯をキャッチアップしてるかどうかは不明ですけど
http://degitekunote.com/blog/2016/01/14/skullcandy-crusher/

なるべくビリビリする曲を選別するようにしている。

選ぶ曲数とかける曲数

30分くらいを繋ぐのに必要な楽曲ですが、短めにつなぐ(1番で終わる感じ)と大体いつも20曲くらい。長めだと12曲ぐらいになります。
40分回す場合は、短めだと30曲弱、長めだと20曲くらいになります。

最終的に上記の曲数を目指すことになりますが、選定しているとグルーヴ感が合わないとか、ジャンルが合わない、テンポが合わない、コードが合わないとかよくあるので、どんどん候補が落ちていきます。
ですので、最初いつもだいたい100−200曲ぐらいの候補を選出しています。

第一次の選定ではその曲をざっと聞きつつ、iPhoneでiTunesの星をつけていきます。この際行っているのは、音圧が弱い曲を落としたり、バラードを落としたり、音質がイマイチの曲を落としたり、といった感じです。

第二次選定で、星4以上の曲を抽出します。ここから本格的なセトリ構築の作業になります。

セトリをイメージしながらの曲選定

グループを作ってセトリのグルーヴ感を構築する

セトリの生命線は「グルーヴ」感です。下手なセトリはここの構築がうまくいってないセトリ、といえます。(耳が痛い)

選曲した曲たちはいろんなジャンル、いろんな速さ、いろんなビートとそれぞれ個性を持っていると思います。

セトリを目指すにあたっての指針として、似てる曲はくっつける、のがいいと思います。
1曲だけだとすぐ終わっちゃうのでフロアにグルーヴが浸透しきらないうちに次の曲に切り替わり、盛り上がり感が足りなくなってしまうのを避けるため、です。

では、どういう方向性でグループを作っていけばいいのでしょうか?
以下解説していきます。

細かいジャンルでグルーピング

まず、この段階でRekordbox(以下レコボ)などのdjソフトに曲を読み込ませましょう。
デフォルトでは表示されてませんが、項目のヘッダで右クリックすると、いろんなカラムを選択できます。そこで、「評価」と「タグ」を表示しておきます。

評価には先ほどitunesでつけた星がでてきます。これで星4と星5の曲でソートできます。

次に、タグ付けをしていきましょう。タグではその曲のジャンルをタグ付けしていきます。

曲のグルーヴを作り出すのは低音パートであるドラムとベースになので、とても重要なパートになります。よく聞いてみましょう。

リズムによって大きくバスドラムが4つ打ちの「ハウスミュージック」と4つ打ちを崩して不規則にしたリズムの「ブレイクビーツ」に大別されます。
前者はエレクトロニカ系やトランス系などに多く見られるビートで、後者は、ドラムンベースとか2step、フューチャーベースなどでみられるものです。

まずはリズムで曲のグループを作るといいです。
ただし、上記の曲はEDMに限定された話です、ロックとかファンクとか他にもいろいろあると思います。
ロックだったら8ビート、16ビートとかありますが、私はもうちょっと大雑把に、「ん、ちゃ…ん、ちゃ…」というリズムのレゲエ、「すちゃ、すちゃ」と高速のパンク、それにホーンセクションが加わった「スカコア」、「どぉうどぉう」ベースがうねるメタルとかそんな感覚で分けてます。
ファンクはベースが跳ねてるので聴けばわかります。

声優が歌うアニソンはジャンルで分けるというより、PPPHというグループにいつも入れています。ぱんぱぱんひゅーというBメロですね。

曲を聴きながら、そのようなタグをつけていきます。

初めと終わりの曲

このグループ作業をしてる際に、セトリの初めと終わりのなんとなくの候補もだしてます。
初めと終わりの曲は前後のDJの人のセトリはこういうテーマでくるかな、というのをイメージして選定しておきます。
あらかじめ終わりと初めのBPMを聞いておいて、それに合わせた曲を選んでおくといいかもしれません。

まあ、前の人の音を切って自由に初めてもいいけど、繋いだほうがフロアのお客さんがフロアからいなくなりにくくなるんでおすすめ。

自分がトップバッターの時は、自由なので遊んで大丈夫です。台詞入りの曲とか、いろいろです。自分がトリのときはお客さんが最後これ聞いてよかったなーと思える曲を持ってくる感じ、アニメで言えば鉄板のアンセムですね。

BPM解析してグルーピングする

曲のBPM(テンポ)はレコボなどのdjソフトに読み込ませることで、自動で解析してくれます。
昔は自分でボタンをタップしてbpm割り出してたんですごい時代だなと思いますが。

ただし、曲中でテンポが変わる曲はうまくBPMを判定してくれないので注意が必要です。

レコボはテンポをfitしてくれる機能があります。これを使うことでテンポが違う曲同士をつなぐことができるようになります。
しかも、レコボなどの最近のDJソフトはクオンタイズ機能といって、テンポ早くしても波長が高くならなず元の音程のままビートだけ早くすることができます。
昔は音高くなったり低くなったりしてました…

ただし、速い曲を遅いBPMにフィットさせようとすると、原曲のグルーヴ感が失われがちになります。MAXで10BPMダウンかなと思っています。
逆に遅い曲を速めのBPMにフィットする場合は、20BPM超えてもそこまで違和感なくつながります。
ということを念頭に置いて、BPM解析した曲たちを「基準となるBPM」をいくつか設定して、グルーピングしていきます。

私はレコボのコメントカラムをオンにして、そこに基準となるBPMをメモしたりしてます。で、コメントでソートをかけると基準BPMごとの曲グループが出来上がります。

それらのグループ内でさきほどつけたタグを見て欲しいんですが、ジャンルが結構揃ってませんか?それはBPMが曲のジャンルに紐づいているからなんですね。

Hiphop、TRAPは80〜110、HouseやRockは130前後、Tranceは130-150、スカコアやパンクなどは160〜180、ハードコアやナイトコアなどは180〜200
というなんとなくのイメージだったりします。

倍のテンポの曲を合わせる

倍のテンポの曲を合わせるという技もあって、たとえばBPM80の遅めの曲と倍のBPM160を掛け合わせることは可能です。

私はレコボ上で遅めのBPMの曲のテンポを倍にセットして160の方に混ぜたりしています。|×2というボタンを押すと、その曲のBPMを倍にしてくれます。

主キーで順番を調整

ここまでで基準BPM別ジャンル別の曲のグループリストが出来たと思います。
つぎに、前後の曲のキーを合わせに行くということをします。

レコボはオプションでデータ読み込み時にキー解析するの設定をオンにしておくと、曲の初回読み込み時に主キーを割り出してくれます。(割り出せない曲もあります)

いろいろ今までセトリを作って思ったのが、前後の曲の主キーを近づけるとつないだ時の違和感が減ります。
BPMやジャンルを合わせただけだと、繋いだ時の違和感ってうまく払拭できないことがあります、それは前後の曲の主キーが全く違うからです、マイナーコード、メジャーコードとか。

ただ、主キーが多少ずれていても、許容範囲内のことが多いです。
全音か半音隣のキーなら大体大丈夫だし。離れててもコード進行と合致してれば問題ないんだけど、この辺は難しいので、なんども聞いて違和感が残る場合は外すというやり方で調整をしています。

自分のテーマに沿った曲順の方を推したい場合は、あえてキーが離れてても繋いだりもします。

ただ最近、レコボにキーをフィットさせる機能があることに気づきまして、この機能を使えば、さらにプレイに幅が出る気がしています。この機能ってver5からなのかな…

最終的なセトリの構築

セトリ全体のプランを練る

ここまでの作業で選別した曲たちが大体20−30曲くらいになりましたでしょうか?
あとは、曲にキューを打ったり、ループを設定して全体の流れを構築していきましょう。

私は、その作業に入る前に、セトリの順序のitunesプレイリストを作って、全体の流れを聞きつつ、順序を補正していくというやり方を行ってます。2、3日そういう作業をしているとだんだんセトリが洗練されていきます。

そこまで準備が済んだら、個々の曲同士をつないでみましょう、それでさらに曲順を精査していきます。

レコボだとエキスパートモードで作業を行います、プロフェッショナルモードはDJプレイをする時に表示する画面になります。

つなぐ作業の前に

レコボは自動で小節の出だしの部分に赤色の|を引いてくれるのですが、これが結構間違ってることが多いので、小節の出だしの位置を調整してやる必要があります。

ここがずれてしまっていると、あとで曲をつなぐ際に、なんかビートが裏打ちになっちゃうんだけど、なんなん?ってことになってしまうので、注意です。

ループで繋ぐ

DJソフトには必ずある機能、ループ。ただ歌ものの曲を繋ぐ際はループできる場所がほんと少なくて見つけるのが大変、それがループ。

私が好きなミニマル、ハウスなどキックの強い4つ打ち楽曲は、テンポを合わせるだけで、ループで繋ぐことができます。

ループで繋ぐ際、次に再生する曲をイコライザで音量絞ったりしながら、ヘッドフォンでモニタリングして確認するといいです。
例えば、前の曲が低音強めのパートでループしてる時、次の曲は低音切って上物だけの状態の音を確認して、かぶせると音が衝突せずに綺麗につなげられます。

その際、音量0の状態でヘッドフォンボタンを押すと、0だけどヘッドフォンから音が出てきます。

これがループのつなぎ方です。

曲を繋ぐ負荷がめちゃめちゃ低いので、イコライザー(high,mid,low)を自在にコントロールしたり、ビートをエフェクトで飛ばしたり、ハイパス・ローパスなどのエフェクトなどもかけたりしながらする余裕も生まれ、繋ぐことがやりやすいです。
DJプレイしてて楽しいと思います。

ただ、アニソンDJとしてはとても受難なんですね…。なぜなら原曲アニソンでループできるようなパートがほとんどないから…。

折衷案として出て来るのが、サンクラとかに上がってる、アニソンのリミックストラックを使う、というものです。

ただし、サンクラだと音の品質が微妙なものが多く、クラブで大音量で流すと解像度の荒さが目立ってしまうので気をつけないといけません。なるべくネットのストアでの購入をお勧めします。
band campとかthe artist unionなら、非圧縮のファイルタイプで曲買えるのでオススメです。サンクラで見つけたアーティスト名で検索してみてください。

メモリーループで知っておくといい話

レコボは、設定したループをメモリーしてくれます。DjayやWeDJなどではこの機能が無いので、以前Djay使ってた時はループする場所をメモしてみながらプレイしてました…

便利なレコボですが、レコボDJ(レコボのプロフェッショナルモードのこと。)でそのメモリーループを呼び出すのがちょっとめんどいUIになってるので気をつけましょう。タブの裏に隠れてますので直接macの画面を操作しないといけません。
DJコントローラーからアクセスできません。一番高いやつでもダメだったと思います。

ただし、1つ便利機能があって、メモリーループのオレンジのループアイコンをクリックしてみてください、すると色が赤になったとおもいます。
これ、実はループに再生ヘッドが差し掛かると、勝手にループをオンにしてくれる機能なんです!!

設定しておくだけで、本番何もしなくても自動でループになってくれるので、精神衛生上非常に良い機能です。
ただし、1曲に1つしか設定できないので気をつけましょう…

カットインで繋ぐ

アニソンDJだと避けては通れない、カットイン。特に原曲をかけたいのなら避けては通れません。

リミックスの受難として、グルーヴ感が均一になりがち、というのがあります。例えば、アニソンのトランスミックスでセトリを作ったとして、最初から最後までトランスだと飽きちゃったりしますグルーヴ感が均一すぎて。

そして、リミックスより原曲派というお客さんがいることも意識しないといけません。そう、原曲は避けて通れないのです。

カットインとは、フェーダーをA→B(あるいはその逆)にバチっと切り替えて、Aの曲からBの曲に繋ぐという一番シンプルな手法なんですが、曲のタイミングを合わせるのがかなり難しいし、カットインはしないというDJもいたりします。
でもアニソンDJなら避けて通れない。(2回目)

あと、おいらはフェーダーは常に真ん中で、AとBの音量のつまみを上下してカットインするという手法にしてます。
そのほうが、AとBの音成分を自由にコントロールできるからです。

フェーダーが真ん中だとAは50%Bは50%という状態で音がなります。
その状態でAの音量100%Bの音量0%にして、徐々にAとBの音量を変えるという感じです。

フェーダを左右にばちばちする感じだと、Aが30%だとBは70%に強制的になっちゃうので(あ、レコボの設定でそこ変えられるんですけどね。割合を直線にするか対数曲線にするかみたいな感じで)

キューを打つ

キューとは、曲のタイムライン上に打つ印のことです。2種類あって、メモリーキューとホットキューというものです。
メモリーキューは大体1つだけ、ホットキューは複数セットできるアプリが多い気がする。レコボはメモリーキューいっぱい打てますが、対応してるコントローラー側はメモリーキューボタンが1つのことが多いです。

メモリーキューはセットしたボタンを押すと、そこその位置に再生ヘッドが移動して止まった状態になるキューのこと。
ホットキューはセットしたボタンを押すと、そこの位置に再生ヘッドが移動して、そっから再生させれるキューのことです。

自分的にメモリーキューを使いたいんだけどコントローラーが対応してないので、仕方なく複数ボタンがあるホットキューで登録しています。
本来ホットキューは同じ曲の中でパートをジャンプするような時に使うものです。AメロBメロサビで2番を飛び越えて、アウトロを再生するみたいな感じで。

で、曲にホットキューを打っていくんですけど、
レコボのエキスパートモードで、つなげたい曲2曲をセットします。

Aの方は曲を終わらせるところ(例えば2番が始まる直前の小節)にキューを打って、そこから左矢印を8回叩いて、またキューを打ちます。
Bの方は曲を聴かせたいところ(例えば1ばんがはじまる出だしの小節)にキューを打って、そこからシフトキー+左矢印を8回叩いて、またキューを打ちます。

ビートがフィットした状態かつ、Aにフェーダーが100%の状態で、Aの曲を8小節前のさらにちょっと前から再生して、キューに差し掛かったところで、Bの曲を再生し、徐々にフェーダーをBに寄せて、8小節後のキューに差し掛かったところで、Bにフェーダーを100%寄せた状態になるようにしてください。

違和感ありましたか?特になければ、そのカットインはOKな状態、と言えると思います。つなぎに違和感があったら、キューの位置を変えてもう一度試してください。

カットインはひたすらこの作業の繰り返しになります。
30分のセトリのキューを打つのに、私だと軽く4時間とか普通に消費します。

キューを打つ場所

Aの曲がメロディだけ、Bの曲がメロディだけというのは問題ないですが、最初のフレーズからボーカルを乗せてる曲とかあると思います。
ボーカルが乗ってるパート同士を重ねると雑音ぽいひびきになってしまいがちなので、そういう場合はどちらかの曲をメロディがないところに変更するか、変更場所がない場合は、重ねる時に、イコライザーでmidを絞ってボーカルの音を小さくしましょう。

BPMの違う曲同士を繋ぐ

エコー+リバーブで重ねつつカットインする

この辺の知見が私にはまだ足りてなくて、よく使うやり方を一つ。

Aでビートがならないパートでループさせて、リバーブ+エコーさせダブっぽい状態をつくります。
で、BでBPMの違う曲をかける、というつなぎ方です。
その際注意なのが、「BPMをフィットさせる機能を一時的にはずさ無いといけない」ので注意しましょう、大体ここ事故る箇所なので。

カットインでバツっと…は

まあ、カットインならエフェクトかけなくてもBPMが異なる曲同士を繋ぐこともできるんですけど、AとBの曲の再生スピードが異なるので、タイミングの合うキューを打つのが非常に難しいです。
また、セトリの曲を入れ替えたい時に、フレキシブルに入れ替えられなくなっちゃうので、自分は最近はやらなくなりました。

曲中でBPM変化する曲を見つける

曲の中でBPMが変化する曲を探すというのも一つの手ですが、あまりそんな曲はないです。

再生中にBPMをギュインと変化させる

あるいは、ビートだけのパートのところで、次の曲のBPMまでダイナミックに変える、というやり方もあります。
不自然な感じを出さないようにするのが難しいですが、うまくはまればかっこいいです。

はい、完成

はい、ここまででやっとセトリが一旦の完成を見ました。
お疲れ様でした。

いや、本番はフロアに出てからです、ここまでは準備なのです。

他に仕込みという意味では、レコボのサンプラー機能にサンプリングした音を読み込ませておく、などの仕込みもあります。

例えば、getwildのげわいをサンプリングして仕込んだりという。その際音声だけを抽出し無いとかっこ悪いので、そこは頑張りましょう。

フロアでのDJプレイについて

ここはほんと課題しかないんですが、セトリの曲をただかけるだけのDJから一歩先に進むために(事故なくただつなぐだけでも結構色々作業が必要ですが)DJが何をしているのかをご紹介します。

自分で踊ってフロアを盛り上げる

これは基本ですよね。DJがつまんなそうにしてたら盛り上がら無いっす。

縦フェーダーを0にして一瞬音を消す

アニソンのサビのとことかフェーダ−0に一瞬下げて、グルーヴ感作ったり

横フェーダーを一瞬AからBにする

一瞬横でばちばちしてBトラックの音を出したり

マイクでMC

上手い人はMCも上手、DJとMC兼ねてる人結構見かけます。

エフェクトを駆使してグルーヴを作る

エフェクトの中にはビートをカットアップするようなエフェクトが存在して、うまくタイミングを合わせることで、ハウス的な曲をブレイクビーツっぽくすることとかできます。

あるい単調な展開の曲に1章節分、フィルターやリバーブかけたりとか、細かく変化を入れることで、グルーヴ感を作ることができます。

エフェクトの掛け方

3通りあって、
1、DJソフトを直接操作してエフェクトをかける。
  DjayとかのiPadアプリとかだとタブレットでタッチパネルなので、直接操作問題ないんですが、レコボ見たいにmacアプリだとタッチパッドでの操作になるので、つまみのUI操作とかめっちゃ厳しいです。
  もちろん、DDJ-wegoのようなコントローラを持っていれば、iPadを繋いで、DjayProかWeDJを使えば、エフェクトかけながらプレイできます。ただし、メモリーループの機能がなかったり、キューを打つ際のショートカットキーとかもないので、その辺はトレードオフになります。

2、DJコントローラでエフェクトをかける。
  おいらの持ってる DDJ-wego3とかだと、ON-OFFしかできないので、徐々にエフェクトをかける、みたいなことができないので厳しいです。
DDJ-wego4はハイパスローパスフィルタエフェクトのつまみがあるんですが、その分イコライザのつまみが2つしかない状態なので、設定でエフェクタを潰して、high-mid-lowに戻したほうがいいです。(設定で変えられます)

3、クラブにあるミキサーでエフェクトをかける。
  これが一番順当ではあるんですけど、操作方法を理解するのに練習が必要というところと、コントローラからミキサーに繋ぐのに、アナログの赤白でつなぐので、AとBの音が1系統になっちゃうんですね。つまり、全体にしかエフェクトがかけられなくなります。
  これを避けるために、オーディオインターフェースで2系統にすることができるそうなんですが、まだ試してません…

というところから、結論としては、クラブのCDJにmacをLANでつなぐか、USBメモリにセトリの曲入れたものをCDJに刺すかしかないのかもしれませんね。

あ、DDJ-RRというフルセットのコントローラを買えばいいのかもしれませんが、でかいし高いし、持ち運ぶの大変そう。